施餓鬼供養の準備を進めています|曹洞宗 正明寺 埼玉杉戸

当山の施食会(せじきえ)は、毎年8月28日に執り行っています。施餓鬼(せがき)とも呼ばれるこのご供養は、餓鬼道に堕ち苦しむ霊や無縁仏に功徳を施し、ご先祖様の供養に繋げるととともに、仏さまのご慈悲を社会へ広げるという意味があります。
その由来は『盂蘭盆経(うらぼんきょう)』にあり、目連尊者が母を救った故事に基づき“施しの力で苦しみを解く”ことを説きます。法要ではお檀家さまからお塔婆をお申し込みいただきますが、これらはすべて心を込めて全て住職が書いております。最近は施餓鬼塔婆を印刷に頼るお寺が増えましたが、先々代、先代の方針に倣い、できる限り筆での手書きを続けたいと考えています。
今年も春から下書きを進めております。例年500本ほどになりますが、なかでも集中を要するのは当山ならではの大塔婆(写真左奥)で、高さ2mを超える特注品です。
そもそも塔婆の意味は「亡くなった方への手紙」です。やはり手書きでこそ思いが伝わります。そういえば先代が残してくれた見本塔婆(写真右手前)を横に置いて書くのですが、その時間は、亡き先代と文のやりとりをしているようでもあります。
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