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離れていても、心は墓前でつながる ― 年末年始、手を合わせて思うこと

 最近は全国的にクマの出没が話題ですが、このあたりにはイノシシが出るようになりました。
こうした地域の暮らしの細かな出来事は、遠くに住む家族にはなかなか伝わりません。
故郷の冬の気配も、畑の変化も、空気の冷たさも、実際にそこにいなければ分かりにくいものです。
でもその「分からなさ」は、決して無関心ではなく、むしろ気にかけているからこそ生まれる真心かもしれません。

 年末年始は、帰省できる人もいれば、別の場所でそれぞれの生活を守る家族もいます。
会えない時間が続くと、寂しさも募るでしょうが、心は距離に縛られません。
仏壇やお墓の前で静かに手を合わせるとき、私たちはいつでも“家族の中心”とつながっているのです。

 年末年始に、お墓参りにおいでになる方も多いことでしょう。
墓前に立ち、手を合わせるひとときが、ご先祖さまと離れて暮らす家族とも心をつなぎ直す時間となります。
一人の時間が長いとき、「いつでもご先祖さまがそばにいてくださる」と思い起こしていただければ幸いです。
また新しい年を、見守られる安心と共に迎えていただければと思います。

 心の静けさとともに、どうぞ温かい冬をお過ごしください。

  住職 吉州正行 合掌

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